現在マンションやビルの所有者や管理者の方で古くなって傷んだ配管の修繕をお考えの方は多いかと思います。
古い配管の修繕方法と聞いて、皆さんが想像されるのは「管を新しく取り替える」という選択肢だと思います。
しかし壁の中に入っている管を修繕するのには大規模な工事が必要です。そのため、施工期間が長くかかったり費用が高くなったりと、施工に踏み切るのは簡単ではないと思います。
配管の工事には管を新しくするのではなく「今の管を生かして補修する」という工法もあります。
- 「管を取り替える」=更新工事といいます。
- 「管を生かして補修する」=更生工事といいます。
今回は、更生工事と更新工事の違いやそれぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。
更生工事(=ライニング工事)とは
更生工事とは一言でいえば既存管の内側をコーティングする工事です。
既存管の内側をコーティングすることで錆の発生や腐食を防ぎます。
従来の工法は既存管の内側に樹脂を吹き付けてコーティングする塗布ライニングでしたが、現在は反転工法・形成工法・さや管工法・製管工法など、塗布ライニングより優れた工法があります。
更新工事とは
更新工事はその名の通り管を新しく取り替える工法です。
昔からある工法で古くなった管を切断して新しい管に取り替えます。最近は技術の進歩により、既にコーティングされた管があり、更新する際はこのコーティング管を使用するので錆の発生や腐食がしにくくなっています。
更新工事後の耐久年数は40年~50年程度です。
更生工事(=ライニング工事)の特徴
更生工事の特徴はなんといっても「更新工事に比べ費用が安く施工期間が短い」ことです。
他にも騒音が少ない、部屋の入室数が少ない、廃棄物が少ない等があります。
・更生工事が安く施工期間が短い理由
なぜ費用が安く施工期間が短いかというと建築工事が少ないからです。
作業場所が上層階と下層階の2カ所のみなので、1系統施工するのに壁を開口する部屋は2部屋のみ、作業中の入室も2部屋のみとなり、中間階は一切入室することがありません。
ただし一回で施工できる管の長さには限界があり、6~7階建て以上の建物になると中間階の1部屋も壁開口と入室作業をする場合があります。
それでも4~5階までは1系統1日で施工できるため、施工期間が短縮できます。建築工事が少なく施工期間が短縮されればその分費用も安くなります。
管の切断も作業箇所のみなので切断時の騒音や粉塵が少なく既存管の廃棄も少量で済みます。
このライニング工事は小さい穴が開いている程度であれば施工できますが、腐食しすぎている管には施工できないためその場合は更新工事をする必要があります。
更新工事の特徴
更新工事の場合、管そのものを新品に取り替えるので耐久年数は長くなります。当然コーティング済みの管を使用するため錆や腐食を抑えられます。古い管は撤去するのでどんなに腐食していても施工できます。
しかし作業に関しては開口→管を切断→新しい管を付けるという工程を、すべての部屋で行う必要があります。
そのため壁の復旧工事に時間がかかり1日で1~2部屋程度しか施工できません。
1日に施工できる箇所が少ないため施工期間が長くなり、また壁の復旧にかかる費用もかかるため工事費用は高額になりやすいです。
全部屋に入室する必要があるため、入居者と予定を合わせて工程を組む必要があったり、管の切断が多く騒音や廃棄物が多くなるなどの欠点もあります。
更生工事と更新工事の比較
更生工事と更新工事の違いをメリット、デメリットの観点から比較してみました!
工 事 比 較 表 | |||||||||||||||
工法名 | 更生工事( ライニング工事 ) | 更新工事( 取り換え工事 ) | |||||||||||||
メリット | ・短期間で施工できる | ・耐久年数が長い | |||||||||||||
・更新工事に比べ費用が安価 | ・漏水リスクが減少する | ||||||||||||||
・騒音が少ない | ・劣化が抑えられる | ||||||||||||||
・配管を露出させる箇所が少なく | ・建物価値の向上 | ||||||||||||||
解体復旧の手間が減少 | ・腐食した管でも施工可能 | ||||||||||||||
・穴が開いていても施工可能 | |||||||||||||||
・部分改修が可能 | |||||||||||||||
・施工後の寿命は約40年 | |||||||||||||||
・工事に伴う廃棄物が少量 | |||||||||||||||
・建物価値の向上 | |||||||||||||||
・施工系統の上層階と下層階のみ | |||||||||||||||
入室となる。 | |||||||||||||||
デメリット | ・老朽化がかなり進んだ配管には | ・費用が高価 | |||||||||||||
対応できない。 | ・工事日数が長い | ||||||||||||||
→TV調査時に洗浄研磨の際、 | →室内への業者の出入りが多くなり、 | ||||||||||||||
破損の恐れがあると | 居住者にストレスを強いる | ||||||||||||||
確認した場合は不可 | →店舗の場合、営業できない日数が増える | ||||||||||||||
・配管を露出させる大掛かりな工事になる | |||||||||||||||
・工事に伴う騒音・振動が発生する | |||||||||||||||
・工事に伴う廃棄物の発生 |
※更生工事の特徴は弊社で行っているFRPライニング工法で施工した場合のものです。
ライニング工事の施工写真
【ライニング後】
まとめ
老朽化が進んで管を取り替えざるを得ない場合は高額になりますが、更新工事を選ぶしか選択肢はありません。
管がまだ使える場合は、工事後の耐久年数もほとんど変わらないので更生工事をおすすめします。
実際に施工依頼を頂いたオーナー様や管理組合の方から「更生工事をして良かったと」の声を頂きます。
費用や施工期間も更新工事に比べかなり安く短縮した事例もありますので気になる方は一度お問合せ下さい。
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弊社ではカメラ調査のみのご依頼も承っております。
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