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給排水管工事(配管の交換・補修・修理方法や特徴)

配管(雑排水管・汚水管)の管種と特徴

1980年頃までに建てられた雑排水管に使われていた管は配管用炭素鋼鋼管(白ガス管、黒ガス管、SGP管、鉄管と呼ばれる)、汚水管に使われていた管は排水用鋳鉄管でした。
その後、アルファ―管や硬質ポリ塩化ビニル管と使われる管種が変更していき、現在では配管用炭素鋼鋼管や鋳鉄管は使われなくなりました。

■配管用炭素鋼鋼管や鋳鉄管が使われなくなった要因

配管用炭素鋼鋼管や鋳鉄管が使われなくなった要因は、老朽化によるサビの発生、それによる詰まりや管に穴が開き漏水するなどの被害があるからです。
管の種類によって耐久年数は変わりますが、概ね以下の耐久年数となります。

配管用炭素鋼鋼管・・・約30年

鋳鉄管・・・35年~40年

1990年より前に建築された建物は排水管の寿命が来ていると考えた方が良いです。

 

老朽化した給排水管の対処方法

築30年以上経っている建物でも、給排水管の詰まりや漏水がないところもあるかと思います。
しかし、管の中を覗いてみるとサビだらけになっていて管径が小さくなっている可能性が高いです。この状態ではいつ詰まりや水漏れが起きてもおかしくありません。まずは排水管内を調査して現状を知ることが大切です。

■給排水管点検(カメラ調査)で内部の状況を確認

内部の様子がどうなっているのかわからないまま、どんな補修工事をするのか決めることはできません。
排水管の内部に専用カメラを引入れる「カメラ調査」なら、内部の状態を確認することができます。

下記の画像は築40年の排水管内です。

周りの凸凹しているのはすべて「サビ」です。奥の方は管径が狭まっているのがわかるかと思います。
この状態を放置していると管内が詰まり、逆流や悪臭、水漏れの原因になります。このような災害を防ぐためにも、まずは「管内の状況がどのような状態になっているのか」を把握することが大事です。

 

配管修理方法

現在マンションやビルの所有者や管理者の方で古くなって傷んだ配管の修繕をお考えの方は多いかと思います。
古い配管の修繕方法と聞いて、皆さんが想像されるのは「管を新しく取り替える」という選択肢だと思います。

しかし壁の中に入っている管を修繕するのには大規模な工事が必要です。そのため、施工期間が長くかかったり費用が高くなったりと、施工に踏み切るのは簡単ではないと思います。

配管の工事には管を新しくするのではなく「今の管を生かして補修する」という工法もあります。

  • 「管を取り替える」=更新工事といいます。
  • 「管を生かして補修する」=更生工事といいます。

今回は、給排水管の更生工事と更新工事の違いや特徴、それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。

 

給排水管更新工事とは

更新工事はその名の通り管を新しく取り替える工法です。
昔からある工法で古くなった管を切断して新しい管に取り替えます。最近は技術の進歩により、既にコーティングされた管があり、更新する際はこのコーティング管を使用するので錆の発生や腐食がしにくくなっています。
更新工事後の耐久年数は40年~50年程度です。

 

給排水管更生工事(=ライニング工事)とは

更生工事とは一言でいえば既存管の内側をコーティングする工事です。ライニング工事とも言います。
既存管の内側をコーティングすることで錆の発生や腐食を防ぎます。
従来の工法は既存管の内側に樹脂を吹き付けてコーティングする塗布ライニングでしたが、現在は反転工法・形成工法・さや管工法・製管工法など、塗布ライニングより優れた工法があります。

 

更新工事の特徴

更新工事の場合、管そのものを新品に取り替えるので耐久年数は長くなります。当然コーティング済みの管を使用するため錆や腐食を抑えられます。古い管は撤去するのでどんなに腐食していても施工できます。

しかし作業に関しては開口→管を切断→新しい管を付けるという工程を、すべての部屋で行う必要があります。
そのため壁の復旧工事に時間がかかり1日で1~2部屋程度しか施工できません

1日に施工できる箇所が少ないため施工期間が長くなり、また壁の復旧にかかる費用もかかるため工事費用は高額になりやすいです。
全部屋に入室する必要があるため、入居者と予定を合わせて工程を組む必要があったり、管の切断が多く騒音や廃棄物が多くなるなどの欠点もあります。

 

更生工事(=ライニング工事)の特徴

更生工事の特徴はなんといっても更新工事に比べ費用が安く施工期間が短い」ことです。
他にも騒音が少ない、部屋の入室数が少ない、廃棄物が少ない等があります。

・更生工事が安く施工期間が短い理由

なぜ費用が安く施工期間が短いかというと建築工事が少ないからです。
作業場所が上層階と下層階の2カ所のみなので、1系統施工するのに壁を開口する部屋は2部屋のみ、作業中の入室も2部屋のみとなり、中間階は一切入室することがありません。

ただし一回で施工できる管の長さには限界があり、6~7階建て以上の建物になると中間階の1部屋も壁開口と入室作業をする場合があります。

それでも4~5階までは1系統1日で施工できるため、施工期間が短縮できます。建築工事が少なく施工期間が短縮されればその分費用も安くなります。

管の切断も作業箇所のみなので切断時の騒音や粉塵が少なく既存管の廃棄も少量で済みます。

このライニング工事は小さい穴が開いている程度であれば施工できますが、腐食しすぎている管には施工できないためその場合は更新工事をする必要があります。

 

現在配管の工事で「更生工事」や「ライニング工事」といった工法を見かけることが多くなっています。
更生工事とライニング工事は呼び方は違いますが工事内容は同じと思って大丈夫です(以下まとめてライニング工事と呼ぶ)。

ライニング工事=管の取り替えをせず既存管の内側を樹脂でコーティングする工法

更生工事の種類

更生工事の中にも種類があります。大まかに二つの工法に分かれます。

1)塗布ライニング工法

この工法は従来からある一般的な工法で、既存管に付着したサビや汚れを研磨と高圧洗浄で落としてから管の内側に樹脂を塗布する工法です。
管の内側を樹脂でコーティングすることでサビの発生や腐食を抑えます。
配管全て新しく取り替える更新工事に比べ施工期間が短く費用も安く済む点が魅力です。耐久年数は10年程度です。

2)FRPライニング工法

FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは繊維強化プラスチックのことで、繊維と樹脂を用いてプラスチックの強度を著しく強化させたものです。浴槽や防刃ベスト、受水槽などにも使われています。

この工法は樹脂を含侵させた繊維を配管の中に反転挿入し空気圧や水圧を利用して管の内側に圧着させたまま硬化させ新しい管を作ります。硬化は温水・蒸気・光などの方法があります。
FRPを使用することによって塗布ライニングよりも強度が増し、耐久年数は30~40年程です。

塗布ライニングは穴の開いた管には施工できませんがFRPライニングであれば穴の開いた管にも施工可能です。
塗布ライニングよりは値段が高くなりますが施工時間は変わらず、更新工事よりも安価で耐久年数や耐荷能力は新管に取り替えた場合とほとんど変わらない優れた工法です。

FRPライニングは複数の硬化方法があるように業者によって施工方法が若干違うこともあります。
基本的には硬化方法が異なっても耐久性や耐荷能力はほとんど変わらないと考えて良いです。

 

FRPライニング施工方法、手順

穴の開いた配管もそのまま補修、最短1日での施工が可能。40年以上の耐久性があり保証期間も20年と、コスト・時間的に非常にメリットの大きな画期的工法です。
弊社では反転工法でFRPライニングをしています。
反転工法は、基材に硬化性樹脂を含浸させた更生材を空気圧を利用して既設管内に加圧反転させながら挿入し、既設管内で加圧状態のまま樹脂が硬化することで管を構築するものです。

施工手順は、管内洗浄→研磨→洗浄→ライニングとなります。

 

■ライニング施工写真

【築47年マンション排水管】

 

更新工事・FRPライニング・塗布ライニング
メリット、デメリット

 

配管修理の注意点

まずはどの程度まで配管を補修したいのか決めます。
補修はしたいけど5年後10年後に建物を建て替える考えがあれば塗布ライニングでも良いと思います。建て替える予定がなかったり最近部屋をリフォームやリノベーションをして壁に穴を開けたくない場合はFRPライニング工事をオススメします。
一度塗布ライニングをしてしまうとその後FRPライニング工事ができなくなるので次回は更新工事をするしか修繕方法がなくなってしまいます。そうなると費用が余計にかかってしまい入居者の方からもまた工事をするのかと不満を持たれることもあります。
また築50年を超えると管の劣化が激しくFRPライニングもできない可能性があります。更新工事は費用が高くなり工事期間も長くなるのでライニング工事ができる内に大規模修繕することをおすすめします。

ライニング工事を依頼する場合はまず、塗布するだけなのかそれともFRPを使用するのか施工業者に確認しましょう。複数の業者の見積もりを比較して1社だけ安いところがあってもそれは塗布だけの場合があります。

また塗布ライニングだけ施工可能、FRPライニングだけ施工可能、塗布もFRPも更新も施工可能な業者もあります。
専有部と共用部の配管で施工内容を変えたい場合などは様々な施工方法が可能な業者を選ぶと工事もまとめて行えますし費用も抑えられます。

 

まとめ

1990年以前に建てられた建物は配管修理の検討をしてください。特に排水管はほとんどが鉄管を使用しており様々な異物を流すため、サビの発生や劣化が著しいです。サビをそのままにしておくと漏水や詰まりの原因になります。配管の修繕をする場合、まずは更生工事を検討してください。築年数が50年以上の建物や管の損傷が激しい場合は更新工事しか補修方法がなくなってしまうので、管の修繕は早めに検討して修繕費用の削減と施工期間を短くしましょう。修理をするか迷っている方はカメラ調査だけでもしてみてください。劣化が酷くなければ高圧洗浄を定期的に行えば数年は長持ちします。災害が起きる前に事前に対処しましょう。

 

 


排水管点検・工事のご依頼方法

弊社ではカメラ調査のみのご依頼も承っております。
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